日々是好日

備忘用読書メモ。主に感想・学んだことなどを記載

人を動かす質問力

☆5

人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

 

 書評ブログの上位にランクインされていたので読んでみる。

 

結果、学ぶことが非常に多くて面白い本だった。

 

質問は相手にそのことを考えさせ、答えさせる強制力があるので、それをうまくつかえば

1.思いのままに情報を得れる

2.人に好かれる

3.人をその気にさせる

4.人を育てる

5.議論に強くなる

6.自分をコントロールする

の6つができるようになると著者は主張する。

 

1、2は、ふーん。という感じだったけど、3以降が面白かった。

ポイントは相手の価値観を否定せずに、どうすれば相手が望む結果が得れるかを一緒に考えて、相手に結論を出させる。そのために質問を投げかけるというもの。

具体例として本には、将来は社長になりたい。社長には勉強せずになれたと言っている人の本を読んだ。だから自分はいま勉強したくない。と主張する子供をうまく説得(というか言いくるめる?)をしている例が記載してあった。実際にそんなうまくいくかはなぞだけど、考え方は面白いと思った。

また、自分から見てできないなと思える部下がいるときも、”なんで言ったのにできないんだ”と言ってもしょうがない。→できない理由を探す方に思考力を向けてしまうから。そうではなく、どうしたらできるようになる?できるようになるために手伝えるようなことあるかな?という質問を投げかけた方が、ずっと有益。

何度注意しても机が汚いままの部下に、こういう質問を投げかけて机をきれいにさせるようにした。という例も面白かった。ポイントは

1.相手の過去の行動を正当化する

2.過去の行動とは関係ない理由によって行動の変更を迫る質問をする

3.相手が行動を変更したら、それを賞賛し、今後も継続するように期待をかけること

 

重要なのは2で、パッと見汚くても、自分では何がどこにあるかわかるからいい と主張する部下に対し、それは非常にわかるしそのままでいいと思うけど、君が休みのときに欲しい書類を見つけられなくて困ったからだれにでもわかるように机を整理してくれないか

といって、整理を促したらしい。

 

3.4.6は上記のようなポイントで質問をうまく使って人なり自分なりを動かすというものだが、5は少し毛色が違った。

 

議論は、どちらかが論理矛盾になるか、何も言えなくなったら勝ち負けが決まる。と考えると、自説を述べずにただ相手の論理の欠点を見つけるために質問するのが一番強いはず。実際に、ソクラテスは質問を続けることで議論に負けなかった。なので、議論には質問が重要と著者は主張する。

その中で、

①反論があった場合相手の価値観を揺さぶる質問

そもそも流議論術

③立証責任

をうまくつかうと非常に効果的。

とくに②、③が面白かった。②は、そもそもで大前提を打ち出し、ところでで判断基準を打ち出す、だとするならばで当てはめを行うというもの。

 具体的には、

A「そもそもこの会社は人間を皆平等に扱いますか?」

B「はい」

A「ところで、女性も男性も同じ人間ですよね?」

B「はい」

A「だとするならば、同じ人間である男性も女性も同じくお茶出しをやらせるべきではないでしょうか」

というように論を進める。

③は立証責任を持たないようにしようというもの。具体的には、任意の税務調査で納税者には金庫を開ける義務はないので、開けるために以下のように話を進めるらしい。

A「ちょっと金庫内をみせてもらえますか?」

B「それはこまります」

A「なぜですか?見られて困るものが入っているんですか?」

B「いいえ」

A「では、みせていいですよね?何も入ってないってことを証明して気持ちよく調査を続けましょう」

これは立証責任をBに持たせているもので、断るためには立証責任をAに戻さなければならない。具体的には以下
A「ちょっと金庫内をみせてもらえますか?」

B「なぜですか?」

A「調査に関係ある資料があるか確認するためです」

B「なぜ金庫内にそのような書類があると判断したんですか?」

A「一般的に金庫内にはそのような書類が多いです」

B「一般論で言われても困ります。私が提出した書類のどこから考えて、どのような書類が金庫内にあると判断したのでしょうか?」

A「それは答えられません。」

B「それでもわたしは金庫を開けなければいけない法律上の義務がありますか?」

A「いいえ。」

 実際はこんなにうまくいかないと思うけど、立証責任って考えは知らなかったし勉強になりました。

 

このような感じで、いい質問の例と悪い質問の例が多く載っていて勉強になったので、買って適宜読み返したい。