日々是好日

備忘用読書メモ。主に感想・学んだことなどを記載

世界でトヨタを売ってきた

☆4 

世界でトヨタを売ってきた。

世界でトヨタを売ってきた。

 

友人に勧められて特にこういう情報が得たいという目的を決めずに読んでみる。

 

結果、かなり面白かった。

 

一番面白いというか参考になったのは、著者の根底に流れている思想や考え方。

内容もそうだけど、文体や表現から、"情熱的"、"前向き"、"安易に人を批判せずに目の前の自分ができることをやっていく"。という姿勢が伝わってくる。それが異文化の人たちと信頼関係を築き上げうまくやっていく著者なりのコツなんだと思う。

 

著者は新興国担当だが、新興国は先進国に比べ市場も小さいし、また調子が良いと思っていた市場が急変したりするので、社内ではどうしても軽く見られがち。

それでも、新興国にはそれぞれの人の生活があり、文化があり、夢もある。彼らの代弁者になり、社内の意思決定者に情報をインプットし、すこしでもwin-winになれるように頑張ってきたということが書いてある。

 

最終章は若者、学生への熱のこもったメッセージを自身の経験を踏まえて述べている。著者の学生時代の経験はすごすぎて真似できないけど、すごい人もいるんだなと刺激になる。

自分も30年後に、世の中に発表するに値する、自分の信念なり仕事に対する姿勢を築き上げていたいと思った。

 

◯印象に残った記述は以下の点

 

新興国でビジネスをするポイントは野外科学(KJ法)的アプローチで現地ニーズの把握、謙虚に現地の声を聞き目線を合わせる、パートナーと信頼関係を築き、利害を共有しインサイダー化する。

 

・現地の人を批判して、喧嘩しても何にも得にはならない。共通項をみつけてインサイダー化することを心がける。

 

・交渉をうまくやるポイントは双方の共通の目的を探す。社会のためという大義が共通項になることが多い 。

 

・縁もゆかりもないマレーシア駐在になった際は、マレーシアを好きになろうとなんとか興味のあることを探し、蝶の採集をはじめた。それがきっかけで、現地のスタッフとだいぶ打ち解けられた。

 

・中近東のキーパーソンに初対面したとき、言葉も通じないし考えていることもわからないが、印象を残そうと思い、対面中相手を3回笑わそうと決めた。そのためにギャグをいっぱい思いついて、3回笑わせて印象に残ったことでビジネスがうまくいった。

 

・問題解決の基本は白紙に戻って情報収集。できるだけ多くの関係者と直接会って情報を集める。その結果、問題解決となりそうなストーリーを合理的なセンスで作り上げる。そしてそれを実行する際に障害となりそうな事例を拾い上げ関係者間で問題の共有化や話し合いなどを行う。

 

 

・インドにて現地生産を開始する際、インドネシアで作っているモデルを導入することを決めたら、インドジャーナリストから、目新しい技術も全くない旧型のインドネシアモデルを導入するなんてインドをバカにしている という声が上がった。それに対し、導入予定モデルのいい点を100個考えさせ、それを大々的に宣伝広告につかって売り出したらジャーナリストは何も言わなくなった。

 

・問題解決に本当に必要なのは”問題を解決したい”という気持ち

 

・結果がわからない、だれも手をつけたことのない問題に取り組むことがパイオニアワークで、それはアポロ計画で月に行くとか特別なことと思われがちだけど、そうではない。一期一会の精神で物事に取り組めば一見平凡に生きている毎日がパイオニアワークになる。

 

・一般的サラリーマンは自分の仕事を自分で決められないので、主体性を発揮しにくいし夢を持ちにくいと言われる。しかし役者として自分を捉えるとどうだろう。主役でなくとも、脇役でも悪役でも精一杯こなすことで監督の信頼を得て、監修の喝采を浴びることができる。そう考えればこんなに面白い人生はない。与えられた役に不満を言っているようでは人生がもったいない。

 

・昔は村で揉め事が会った際は、お互いが意見を言い合い、最後は長老が決めた。これは分裂を避けるために皆がお互いを理解し、合意形成を測るための知恵だった。近年は合意形成のステップが軽視され、一気に賛否を決めてしまうことが多い。これでは統合・コンセンサスははかれずに社会の分断化を招いてしまう。 

  

・好きなこと興味があることがなければ、とりあえず何か始めてみよう。そのうち少しでも興味があるものが出てくる。そのなかで自分の感性に従い、いくつかためしてみると好きなもの、興味を引くものがでてくる。好きなものが出たら楽勝だ。人は好きなことのためには努力ができるし踏ん張りがきく。能力頭脳を惜しみなく使える。

結果どんどん吸収し学んで実力がついてくる、そんなあなたを周りが放って置くはずないからいろんなオファーが届く。つまり必要とされる人間になっていく。オファーに答える度にあなたは能力、情熱、人間力が試される。そしてますます力をつけて行っていつか道を切り拓く人になる。それがパイオニアワーカーだ