日々是好日

備忘用読書メモ。主に感想・学んだことなどを記載

水素社会はなぜ問題か

 

「水素社会」はなぜ問題か――究極のエネルギーの現実 (岩波ブックレット)

「水素社会」はなぜ問題か――究極のエネルギーの現実 (岩波ブックレット)

 

 

水素ってこの先どうなんだろう?と疑問を思っていて専門家の意見を知るために読んで見た。

 

結論は、タイトルからも予想できるように"問題ありすぎてなかなか厳しい"というのが筆者の意見。

 

何が問題かというとエネルギー効率の悪さ。

 

水素は非常に反応しやすい物質であり、地球上にH2単体であることはほぼない。つまり電気と同じで何かから作り出さないといけない2次エネルギーである。電気はその後すぐに使える一方で、水素は水素を使って発電し電気エネルギーに変換することでようやく使えるようになる。つまりステップが一つ多い。

 

実際に再生可能交流電源100kw/hがあった場合、そこから電気分解して燃料電池車で使えるエネルギーは23kw/hになるならしい。電気自動車で同じことをやると69kw/h。

 

それでも何かの副産物で水素ができていてそれを使えばいいのではないか?という意見もある。実際に原子力で熱を高温に熱し(900℃くらい)水素に分解し、その余熱を使って通常の原子力発電を行うというプランもあるらしい(高温ガス炉による水素生成)が、もんじゅ同様難しい技術であり実現にはハードルが高い様子。

 

燃料電池のメリットは、ファンなど大規模な設備や太陽光が必要などの制約がなくとも発電できるってことで、集合住宅の家庭用電源としては期待できるけど、自動車にはエネルギー効率悪すぎというのが筆者の意見。

 

著者は水素どころかそもそも自動車が無駄の象徴だという。ガソリンを燃やして得るエネルギーのほとんどは熱をや騒音にとられてしまい、移動にかけられるエネルギーは少ない上に、70-80kgの人を動かすために2トン弱の鉄の塊をうごかすので無駄が多い。実際に、1人を1キロ動かすのに電車の10倍程度のエネルギーが必要になる。

 

そこで著者の提案は、通勤通学用途の自動車が多いので、その自動車をもっと遅く、軽くしていま走っている自動車はレジャーようにする という使い分けをすべしというもの。通勤用に最高速度が180キロ近く出る車を使うのは過剰スペックで資源の無駄。

 

自動車無駄論は、自動運転ができればだいぶ変わるかな。水素は厳しいな。。今度擁護派の人の本も読んでみよう。